いつもの患者さまだからこそ、同じ質問を繰り返さない

患者さまとの会話で大切にしているのは、薬の説明だけではありません。いつもの方だからこそ、その日の生活や体調に目を向け、一人ひとりに合わせた質問や説明を心がけています。
薬剤師として、処方された薬が適切かどうかを確認し、きちんとお渡しすることはもちろん大切です。
ただ、私が患者さまとの会話で意識しているのは、それだけではありません。
えがお薬局には、いつも利用してくださる患者さまが多く、複数の医療機関にかかっていても、処方箋を持ってきてくださる方がいます。
そうした方と何度もお会いするからこそ、「毎回、同じことを聞いて、同じ説明をする」だけにはしたくないと思っています。
処方が同じなら、少し違うことを聞いてみる
いつもの患者さまの場合、処方内容は大きく変わらず、一部だけ変更されているということも少なくありません。
もちろん、「今日はお薬、変わっていませんね」「体調はお変わりありませんか」といった確認はします。
そこで「特に問題なかったよ」とお話しいただけたら、私は少し違う質問をしてみることがあります。
「食事はしっかり取れていますか?」
「夜は眠れていますか?」
薬そのものの話から少し離れて、その方の日常が見えてくるような質問です。
毎回同じ質問だけを繰り返していては、私自身もその方のことを深く知ることができません。
会話を重ねるたびに少しずつ相手のことを知り、質問の内容も変わっていく。その積み重ねが、患者さまとの関係をつくっていくうえで大切なのではないかと思っています。
会話の中から見えてくる困りごと
話をしていると、薬の説明だけでは分からなかったことが見えてくることがあります。
たとえば、「実はこの薬、粒が大きくて飲みにくいんだよね」という話が出てくるかもしれません。
薬によっては、医師への確認などが必要になる場合もありますが、同じ成分量になるよう、より小さい規格を組み合わせるなど別の方法を検討できることがあります。
お子さまの場合も、粉薬やシロップなど、薬の形が変わることでご家族が不安を感じることがあります。
年齢や生活、飲みやすさは一人ひとり違います。
だからこそ、その方の状況を知ったうえで、薬剤師としてできる方法を一緒に考えていきたいと思っています。
「言い忘れたこと」にも目を向けたい
診察を受けたあとに、「先生にこれを伝えるのを忘れていた」と気づくこともあると思います。
薬局では、処方箋の内容だけを見るのではなく、どんな症状があるのか、ほかに気になることはなかったかなどを確認することがあります。
同じような症状でも、患者さまの状態や年齢によって確認したいことは変わりますし、飲み薬がよいのか、別の剤形が使いやすいのかといった点も、一人ひとり違います。
必要があれば処方内容について医師へ確認することも、薬剤師の役割の一つです。
一人ひとりに合わせた会話を
薬をきちんとお渡しするだけではなく、その方が無理なく薬を使い、治療を続けられるようにすること。
そのために私ができることの一つが、患者さまとの会話だと思っています。
昨日と今日では、同じ人でも状況が違うかもしれません。
だから、質問も説明も毎回まったく同じではなく、そのときの患者さまに合わせて少しずつ変えていく。
これからも、目の前の方の話を聞きながら、その方に合った関わり方を考えていきたいと思います。


